立ち技

今こそ語ろう、旧K-1!思い出に残るベストファイト

90年代、お茶の間を沸かせたエンターテイメントがありました。それがK-1!

まだインターネットがそこまで普及しておらず、ゲームもいまほど市民権を得ていなかった時代、テレビこそが娯楽の王者でした。そしてその民放テレビのゴールデンタイムで堂々と放送され、一時期はフジテレビ、TBS、日テレがそれぞれでブランドを打ち立てて放送していたコンテンツ、それがK-1!

格闘技やK-1を見ない人でもアンディフグやマイクベルナルド、アーネストホースト、ピーターアーツは何と無く知っていて、バラエティ番組や有名商品のTVCMにも登場していたスポーツ、それがK- 1!!!!

文字どうり、世界最強。世界中で地区予選が行われ、その優勝者が東京に集まってきて一夜で世界最強を決める大会。それがK-1!!!!!

毎年12月に東京で開催されていたワールドグランプリファイナルは、それはもう大きな盛り上がりでこのファイナルを目指してシーズン通してファイターは戦いを繰り広げていました。今年は誰が優勝するのか?本当に毎年ワクワクして見ていたなあ。

今の新生K-1も頑張ってはいますが、正直、当時のK-1とはまるで異なるもの。いや、同じようにしていこうとも思ってなくて独自路線を行くつもりだと思うので別にいいんですけど、それならK-1名乗らないで欲しいなあとおっさんオールドファンは思ってしまったりするのです。

なお、今回の記事ではフジテレビが中継していたK-1 WGPシリーズについて書きます。TBSのK-1MAX、日本テレビのK-1ジャパンはまた別物ですのでご容赦を。

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旧K-1と新生K-1の違いは何?

では旧K-1と新生K-1、二つのK-1はどこが違うのか?なお、ここでいう新生K-1は日本で開催されいる、武尊とかが活躍しているK-1の事を指すものとします。ネーミングライツ自体は今は海外にあり、日本はそのブランド名を借りてるだけですからね。

新生K-1は世界最強とは言えない

兎にも角にも大きいのがこれ。旧K-1はヘビー級で新生K-1は軽中量級メイン、とかの違いもありますが、それよりも大きいのが「世界最強を決める大会なのかどうか」という点です。

もともと旧K-1は石井館長率いる正道会館が「立ち技世界一」を決めるために開催した大会。だからありとあらゆる競技から強い選手を集めてきて統一ルールのもとに戦わせていました。思想としてはオープンだったわけです。非常にインターネット的ですね。

ところが新生K-1は格闘技世界最強じゃなくて「新生K-1の中での最強」を決める戦いにスケールダウンしてしまっています。だから選手は専属契約が基本で、鎖国した中で契約選手を育てて行く、というスタイル。基本的には日本人スター選手を育てて行く、という思想なので外国人ファイターで人気のある選手はほとんどいません。

おまけに、那須川天心という天才が同じ日本の中で登場してしまったため、新生K-1の世界観はますます矮小になってしまいました。

ちょっと世界に目を向ければ、もっと大きなプロモーションが生まれています。K-1WGP亡き後、その覇権を狙った団体が巨大な資本の元に世界中で興行を打っている。そこで勝ち上がっていけば、選手に支払われるギャラも大きい。

だから新生K-1は外国人有力ファイターにとってみてはただのステップ。かつてはK-1、日本こそが最終的な到達点だったはずなのに、今は違う。

新生K-1の70kgトーナメントで優勝したマラット・グレゴリアンは、一回優勝したら一度も防衛戦することなくベルトを返上しちゃうし、チンギス・アラゾフもなかなか来日しない。最近だとウェイ・ルイも怪しいですね。まあ彼はもうチャンピオンじゃないですが。

 選手として引退したならともかくそうじゃなくて海外で戦ってるんですね。

ゲーオとゴンナパーくらいでしょうか、日本にレギュラー参戦してるの。でも彼らは世界的にみて有力かって言われるとちょっと微妙な気もします。

つまり、外国人ファイターにとってはもはやK-1はブランドじゃないんですよ。価値がない。だからやってこないわけです。

旧K-1の持つカオス感とかワクワク感が新生K-1に全然ないのは多分、世界観が小さいからだと思うんです。

地上波放送をしていない

これはまあ、時代性もあるかもしれないので是か非か色々な見方があると思いますが、新生K-1は地上波ではほとんど放送されませんね。ちょっと前はフジテレビで一週間遅れくらいで深夜放送してましたが今はそれもない。

代わりにAbemaTVで全ての大会を生放送している。これ、生放送を無料でしてくれるってのは相当嬉しいんです。かつてのK-1も生放送じゃなくて、あくまで録画中継でしたからね。

でも、ネットの場合はたまたま発見するってことがあんまないですよね。ファンしか見てくれない。まあそこは昔と違ってSNSがあるから、twitterなんかでどんどん拡散させるような仕組みを取ってはいるものの、地上波ゴールデンタイムでやっていた旧K-1ほどの市民権は今の所得られていません。それでも武尊とかはバラエティにもちょいちょい出ていて頑張ってるなあという気はしますが。

総じて、新生K-1にはスケール感と一流感がない

上記の地上波とも絡むかもしれませんが、多分資金力が全然違ったんだろうなという気がするんです。地上波放送の放映権料だけではなく、地上波放送することによるナショナルクライアントのスポンサーフィーとか。

ワールドトーナメントの優勝賞金、4000万円ですよ。今からすると考えられない!!新生K-1のトーナメント優勝賞金、明らかになってないですが、数百万レベルなんじゃないでしょうか。KNOCKOUTは300万円らしいですが・・・。

何が言いたいかというと、旧K-1に比べて圧倒的に地味なんですよ、新生K-1って。演出とかもね。

これは日本人特有の欧米コンプレックスかもしれませんが、やっぱ外国人がたくさんいると世界一流感ありますもん。本当にワールドグランプリ、という名前がふさわしいというか。

だってさ、K-1の無差別級トーナメントなんて16人制で日本人、多くてせいぜい二人ですからね。それで全然成り立っていた。でも新生K-1って世界最強トーナメントとか言いながら日本人が半分占めてますからね。どんだけ狭いんだよ世界って、って話じゃないですか。

さあ今夜、世界最強が決まるぞ!という高揚感がまるでない。

K-1の中継が始まると、テーマ曲が流れるんですよ。princeの「Endorphine Machine」が。

ほら見てくださいよ、このオープニング。いま見てもテンション上がる。なんか、世界メジャーって感じするでしょ??

旧K-1、個人的ベストファイト

というわけで、僕の青春時代を熱くたぎらせた旧K-1のベストファイトをご紹介です!

5位:アリスターオーフレイム VS バタハリ(K-1 WORLD GP 2009 FINAL)

今やUFCファイターとなったアリスターですが、もともと名前をあげたのは日本でした。

当時、DREAMでMMAファイターとして戦っていたアリスターはDREAMの会場でバタハリに喧嘩売られます(確か男同士で抱き合ってんじゃねえよ。K-1こそNo1だ、みたいな)。

で、その年の大晦日にK-1ルールでバタハリに挑んだアリスターは大方の予想を覆してバタハリをKO。

で、その後再び両者が巡り合ったのがこのK-1WGPでした。

当時、K-1ファンから絶大な人気を誇っていたバタハリからしたらリベンジ。でもアリスター、強いし正直厳しいんでは・・・とK-1ファンはハラハラ冷や冷やしながら見ることになりますが、結果は見事、バタハリが1R、KO勝ち。K-1ファンの溜飲を下げた形になります。

当時、PRIDEからUFCと世界中でMMAブームが勃興していて、「K-1は古い」くらいの温度感がありました。だからK-1ファンとMMAファンは相容れなかったわけです。そういう意味で、K-1ファンの溜飲を下げたのがこのファイトだった、ということですね。

ちなみに僕はDREAMファンでもあったので、この試合は複雑な思いで見てました。どっちかというとアリスター寄りで見てた気がします・・・。

4位:ボブサップ VS アーネストホースト 2(K-1 WORLD GP 2002 FINAL ROUND )

当時、MMAとK-1を行ったり来たりしながら大暴れしていたのがボブサップ。

本当に当時は文字どうり怪物でした。今は見る影もありませんが・・・。

でも、パワー重視のそのファイトスタイルは賛否両論があり、力だけのサップなんてMrパーフェクトと呼ばれたホーストのテクニックの前では歯が立たないだろうと思われていたのです。

そして二人が初めて相見えたのが。まさかのサップのKO勝ちでした。K-1ファンは沈みゆくホーストを見ながら「嘘だろ・・・」と呆気に取られたものです。

そして再び相見えたのが映えあるWORLD GP。

サップのパワーに押されながらも前回と異なり、ホーストは耐えるところは耐えながらもローとボディでサップにダメージを確実に与えていき、ついにホーストは美しいコンビネーションのリバーブローでダウンを奪うことに成功します。会場は大歓声!さすがホーストおおおお!!!と誰もが思ったその矢先!2Rでサップの一発がホーストを捉え、もんどり打つようにホーストはダウン。その後もホーストのラッシュでサップがダウン寸前まで追い込まれるシーンもあったものの、最後はサップのラッシュでホーストがピンポン玉のように右に左に弾かれ、最後はレフェリーストップ。遂にホーストのリベンジはなりませんでした。

いやあ、今見ても熱い!!!!

3位:マイクベルナルド VS フランシスコフィリオ K-1 GRAND PRIX ’98 決勝戦

僕、フランシスコフィリオの大ファンでした。当時、フィリオは「一撃」幻想というのを持っていて、まさに文字通り一撃であらゆる強豪をバッタバッタとなぎ倒していたのです。

そしてホーストとかにキックボクシングのテクニックで完封されたりしたことはあったものの、それはゲームで負けた感が強くて、フィリオ危うし!みたいな場面は見たことがありませんでした。

まさに、極真空手こそ立ち技世界最強なり!という幻想を持っていたのです。往年の世界最強といえばエメリヤーエンコヒョードルですが、フィリオもヒョードルと同じく静かな笑みを浮かべ決して騒ぎ立てず、格闘家というよりは武道家、という空気を纏ってそれがまた神秘的だったものです。

そんなわけで底が見えなかったフィリオが遂に沈んだのがこの試合。シーズンクライマックスの決勝トーナメントでぶつかったのがマイクベルナルド。

ベルナルドも決して打たれ強いタイプではなかったので、フィリオの一撃がいつ火を吹くか、フィリオの一撃幻想はいつまで続くのか!?というのがこの試合の見どころだったと思います。

しかし、結果はフィリオ生涯初のKO負け。神がかった強さを見せていたフィリオが遂に沈んだのでした。

当時フィリオの熱狂的ファンだった僕は、テレビの向こうでフィリオが次第に体力を奪われていき、朦朧とした目つきでよろよろになりながらベルナルドに向かっていき、そしてリングの上に倒れて行くのを呆然としながら見ていました。

当時、僕は浪人生でなかなか辛い日々を送っていたのですが、フィリオのテーマ曲を調べて買って、一撃Tシャツも買って、フィリオの自伝なんかも買って読んで、本当に崇拝していたのです。

だからフィリオがなぎ倒されていったのは悔しかったし、なんというか絶望的でした。本当に、心の拠り所がポッキリと折られたような気分でした。

2位:ジェロムレバンナ VS ピーターアーツ

前年のグランプリで全試合KOで制した暴君、ピーターアーツ。この年のK-1は誰がアーツを止めるのか?でした。そして、誰も止められないままグランプリファイナルを迎えました。

そこでアーツに挑んだのがジェロムレバンナ。いっときK-1を離れ、ボクシングに挑戦していたバンナですが、体もビルドアップされ、ボクシングテクを身につけてK-1に帰ってきたのです。まさに、ハイパーバトルサイボーグ!

当時、アーツと同じくこのシーズンのK-1で注目を集めていたのが、不沈艦と呼ばれたマットスケルトンという選手。めちゃくちゃ頑丈で、ヤン・ザジャイアント・ノルキヤとかレイ・セフォーをぶっ倒し、サムグレコをパンチで場外に吹き飛ばし、アーツも苦しめたマットスケルトン。

そんなスケルトンを1RでKOしたのが、帰ってきたジェロム・レ・バンナなのでした。あの不沈艦を沈めたバンナなら、暴君アーツを止められるんじゃないか!?そんな期待が高まる中迎えた1R序盤。アーツのハイキックがバンナにヒットし、バンナはダウン。

ああ、やっぱアーツや・・・。幻想は所詮現実なんや・・・今年もアーツが持っていくんやで・・・、と諦めムードが漂っていた中、がむしゃらにパンチをふるって突進していったバンナの若干デタラメなパンチがアーツを捉えました。

アーツ、まさに巨木がゆっくりと倒れるようにリングに沈みます。なんとか立ち上がろうとするアーツですが、首から下が動かない。なんと、バンナの1R逆転KO勝ちとなったわけです。

僕、この試合からずっとバンナのファンなんですよね。色気ありますよね、彼。

1位:フランシスコフィリオVSアンディフグ

そして第一位。

すいません、僕、やっぱフィリオ信者だったんでまたフィリオ登場です。

極真空手世界王者となったフィリオの電撃K-1参戦、デビュー戦がこの試合でした。そしてまたねえ・・・これがここに至るまでのドラマがやばいんですよ・・・。

前年、悲願のK-1王者になったのがアンディフグでした。でもそもそも、元々はフグは極真空手の大物選手だったんですよね。世界大会で決勝を争ったこともあるくらい、極真空手のスター選手だったんです。

そしてそんな大物のフグと、まだ無名のグリーンボーイだったフィリオは極真空手の試合で相対することになりました。誰もがフグの圧勝を予想していた試合でフィリオは善戦。そして試合終了の合図と同時にフィリオが放った左上段蹴りがフグの顎にヒット。そのままフグはまさかの失神をしてしまいました。

ただこの試合は物議を醸しました。試合終了後の攻撃だから反則なんじゃないか、というのがフグの主張。ただそれを退けたのがマス大山、極真のトップですね。「大山裁定」と有名なこのジャッジは「試合終了の合図でも武道家は気を抜いてはならない」というもの。極真空手はルールに守られたスポーツじゃねえんだ、ということです。痺れますねー!

しかしこの裁定に不満を覚えたフグは極真を離脱。そして正道会館に移籍するわけですがこれにまた極真は激怒。正道会館と絶縁するわけです。

そんな大きな犠牲を払って正道会館、つまりK-1に戦いの場を移したフグでしたが、予想に反して最初全く活躍できませんした。空手は顔面パンチがなく、K-1は顔面パンチがある。その差に全くついていけない。鳴り物入りでデビューしたフグでしたが、まさかのグランプリ、2年連続で初戦KO負け。ただそれでも諦めないのが不屈の鉄人、アンディフグですよ。3年目で初めて初戦を突破し、そのままの勢いでなんとグランプリを制してしまいました。

このフグのストーリーだけでも出来過ぎなんですが、この続きとしてフランシスコフィリオが出てくるわけですね。フグがK-1王者に輝いたその年、フィリオも極真空手で世界王者になりました。極真史上初となる、外国人王者の誕生でした。

そして時を同じくして極真会館と正道会館は和解。選手の交流が始まるのですが、そこで組まれたのが極真世界王者のフランシスコフィリオ VSK-1王者のアンディフグだったわけです。

もうさ、やばいですよねこのストーリー。ただ単に極真王者とK-1王者が戦うってだけでもロマンあるのに、この二人にはいわくがあったんですよ。だってフグが極真を離れる原因を作ったのはフィリオですからね。あの極真での試合がなかったら、フグはK-1には行かなかったかもしれないわけです。

そして二人とも世界王者になって再び相対する・・・。K-1、やばいわ。

で、そんなお腹いっぱいストーリーはどういう視点でみんな見てたかというと、そりゃフグのリベンジストーリーですよ。これまでフグはK-1において「リベンジ」というポジションでしたから。「K-1リベンジ」という大会まで作っちゃうくらい、フグにとって「リベンジ」は重要なコンセプトだったわけです。

かつてフグも顔面パンチに適応できず何度もリングに沈みました。今度はそれを、フィリオに教えてやろうじゃないか・・・とフグが飛び込んだその瞬間、フィリオの右フックがフグの顔面を捉え、フグは糸が切れた人形のようにストーンとリングに沈みました。

まさに、一瞬。そして、一撃。

で、フグに駆け寄ってきたセコンドの背中が中継カメラに映り込むんですが、セコンドのTシャツに書かれていたのが「一撃」の文字。

うわー、やばい!極真、やばい!一撃だよ、一撃!カッコ良すぎるよ・・・!

結局その後、二人が交わることはありませんでした。フグが白血病で亡くなってしまうからです。

フグは遂に、フランシスコフィリオ にだけはリベンジできなかったのです。

こんなドラマが、かつてのK-1にはありました

ということで、他にもいろんな語れるドラマがあったんですが、今のK-1ってそれ、ありますかね?と。まああるのかもしれないけど、あんまなくないですかね。卜部兄弟の試合なんかは泣けましたけどね。

 なんでなんだろうなーと思うんです。PRIDEにも色々ドラマはあったけど、RIZINってそういえばそこまでのドラマってまだあんまりない。RENAと浅倉カンナとか那須川天心と堀口恭司なんかは語れますけどねえ。

やっぱ日本の格闘技はこういうドラマこそ魅力だと思うんですよ。”最強”とかスケールのでかさはどうやってもUFCには勝てないし、ひょっとしたらONEにも勝てないかもしれない。

だから僕らは、試合と試合の行間のドラマを楽しみたい!

久々に昔のK-1の試合をYOUTUBEで観まくろっかなと思いました!

現場からは以上です!

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