【格闘代理戦争】青木真也が面白い理由

格闘ファンなら知っていると思いますが、青木真也という格闘家がいます。

基本的には格闘ファンには嫌われ者の扱いですが、格闘代理戦争をきっかけにまたじわじわと注目を集めています。

僕、実は昔から青木選手って好きでして・・・。当時、DREAMで「大黒柱」だった頃は青木こそ日本格闘技界を背負って立つ男と真面目に思ってました。

自分がプロジェクトリーダーを務めていた超大事な仕事をほっぽり投げて、青木VS川尻を見に埼玉まで行ったっけ・・・。

ということで今回は、青木真也選手が面白い理由について書いてみます。

本音が隠しきれない

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青木真也の特徴の一つとして、他者をコケにする発言が多いということがあります。

まあ相手選手をケナす発言をするのは格闘技界ではよくあることで、でもこれは本音でいっているというか、どちらかと言うと試合を盛り上げるためのファンサービスみたいなもので、試合が終わった後はあれだけいがみ合ってた二人が握手したり抱き合ったりしてたりするわけです。

しかし青木の場合は違う。多少計算してるとは言え、発言していることは多分本気で話している僕は考えています。

彼は元々早稲田大学出身。また本も書いているし、格闘界だけじゃなくていわゆる文化人界隈の人たちとも交流がある。

つまり、頭が悪くないんですね。頭が悪くない上に、空気を無視して歯に衣着せぬ発言をするものですから、本質をついてしまってる訳です。

誰も言わないことを、ズバッと言ってしまう。

だから、疎まれるし、一方で面白い。ホリエモンみたいなもんでしょうか、キャラ的には。

多分、セルフプロデュースの一環だとも思います。格闘代理戦でのマッハとのくだりなど、演出というか見せているだけ、という側面もあるでしょう。

でも、ある程度本音なんじゃないかなと。自分の本音をさらけ出す、というセルフブランディングをしているんだろうなあという気がします。

UFCに行かなかった=自分を貫くリアリストだから面白い

彼が批判されるようになったのはDREAM10のシャオリン戦あたりからじゃないかと記憶しています。この試合、寝業日本一と言われていた青木と、柔術スペシャリストのシャオリンの寝業のどっちが強いのか?とファンの間で話題になっていた試合でした。

しかし蓋を開けてみると青木は寝業の展開に行こうとせず、ひたすら距離をとってミドルキックをペチペチ蹴っているだけでした。

そう、彼はリスクをとってわざわざ危険な道に行こうとは思わなかったのです。しかしそのことで、寝業の展開を期待していたファンからブーイングを浴びるようになりました。

DREAM消滅後、世界のMMAがUFC一強となっていた時代、青木は遂にUFCに行きませんでした。彼ほどの実力があれば、UFC行きも十分あり得たはずなのに、彼はそうせず、当時の新興勢力だったONE FCに移籍しました。

これもファンから批判を浴びました。青木は逃げている、と言われました。ただこの頃から青木は、競技者としてだけではなく職業としての格闘家を意識した発言をするようになっていきました。

つまり彼は世界最高峰を目指しているわけではなく、生活の手段として格闘技をやっている。すなわち、あらゆることを犠牲にしてまで世界最高峰のUFCに行くのではなく、待遇も良くて日本からも移動のしやすいアジアのONE FCを活動の舞台として選んだのです。

「格闘家=世界最強を目指している」と勝手に思い込んでいる僕たち格闘ファンの一方的な押し付けを無視して現実的に考えて最もコスパの良い道を選ぶ青木。

まあ、アンチが増えるのもわかるのですが、面白いですよね、やはり。

試合が面白いから青木真也は面白い

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そしてこれ。青木の試合は面白いんです。

何故か?

圧倒的に強いわけではなく、強さ弱さがはっきりしてるからですね。

彼はグラウンドに持ち込めばかなり強い。ただ、フィジカルやプレッシャーには弱く、打撃の圧力に屈しやすい。

伝説となった試合、長島☆自演乙☆雄一郎とのミックスルールはもう本当にドラマチックで。キックルールを合法的な反則行為で逃げ切った青木。2RはMMAで青木の独壇場と思われ、彼自身もおそらく慢心があり、すっとタックルに行ったところを膝を合わされ2R早々にKO負け。

いやー、こんな負け方は予想しませんよ。強い時は本当に残酷なまでに強いのに、負ける時はころっと負ける。

勝手も負けてもファンもアンチも騒げる。それだけ熱量を稼ぐことができるのです。

プロの格闘家として、青木は一流だと思います。

 つまり、青木真也とは何なのか

人間臭いんですよね。完璧じゃなくて、弱いのに必死に強くなろうとしていて、不器用だから自分の思った通りに発言してしまい、反感を買う。

彼自身も根っからの悪じゃないし、内心本当はナイーブで、アンチからああだこうだ言われることに最初の頃は傷ついている節もあります。

でも彼は一方で頑固で、アンチがいるからといってファンに迎合しようとは思わない。すったもんだあったんだと思いますが、現在はもう我が道を行くスタイルを確立し、精神的な芯も強くなったように感じます。

彼はまだ現役です。ONE FCで再びチャンピオンを目指すのかどうかはわかりませんが、先日の試合を見る限りまだまだやれるでしょう。

ただ、単純なアスリートじゃなくって、ちゃんとプロの格闘家としてリングの外でも僕たちファンもアンチも巻き込んでギャーギャー言わせて欲しいなと、そう思ってます。

青木最高!

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今こそ語ろう、旧K-1!思い出に残るベストファイト

90年代、お茶の間を沸かせたエンターテイメントがありました。それがK-1!

まだインターネットがそこまで普及しておらず、ゲームもいまほど市民権を得ていなかった時代、テレビこそが娯楽の王者でした。そしてその民放テレビのゴールデンタイムで堂々と放送され、一時期はフジテレビ、TBS、日テレがそれぞれでブランドを打ち立てて放送していたコンテンツ、それがK-1!

格闘技やK-1を見ない人でもアンディフグやマイクベルナルド、アーネストホースト、ピーターアーツは何と無く知っていて、バラエティ番組や有名商品のTVCMにも登場していたスポーツ、それがK- 1!!!!

文字どうり、世界最強。世界中で地区予選が行われ、その優勝者が東京に集まってきて一夜で世界最強を決める大会。それがK-1!!!!!

毎年12月に東京で開催されていたワールドグランプリファイナルは、それはもう大きな盛り上がりでこのファイナルを目指してシーズン通してファイターは戦いを繰り広げていました。今年は誰が優勝するのか?本当に毎年ワクワクして見ていたなあ。

今の新生K-1も頑張ってはいますが、正直、当時のK-1とはまるで異なるもの。いや、同じようにしていこうとも思ってなくて独自路線を行くつもりだと思うので別にいいんですけど、それならK-1名乗らないで欲しいなあとおっさんオールドファンは思ってしまったりするのです。

なお、今回の記事ではフジテレビが中継していたK-1 WGPシリーズについて書きます。TBSのK-1MAX、日本テレビのK-1ジャパンはまた別物ですのでご容赦を。

[:contents]

旧K-1と新生K-1の違いは何?

では旧K-1と新生K-1、二つのK-1はどこが違うのか?なお、ここでいう新生K-1は日本で開催されいる、武尊とかが活躍しているK-1の事を指すものとします。ネーミングライツ自体は今は海外にあり、日本はそのブランド名を借りてるだけですからね。

新生K-1は世界最強とは言えない

兎にも角にも大きいのがこれ。旧K-1はヘビー級で新生K-1は軽中量級メイン、とかの違いもありますが、それよりも大きいのが「世界最強を決める大会なのかどうか」という点です。

もともと旧K-1は石井館長率いる正道会館が「立ち技世界一」を決めるために開催した大会。だからありとあらゆる競技から強い選手を集めてきて統一ルールのもとに戦わせていました。思想としてはオープンだったわけです。非常にインターネット的ですね。

ところが新生K-1は格闘技世界最強じゃなくて「新生K-1の中での最強」を決める戦いにスケールダウンしてしまっています。だから選手は専属契約が基本で、鎖国した中で契約選手を育てて行く、というスタイル。基本的には日本人スター選手を育てて行く、という思想なので外国人ファイターで人気のある選手はほとんどいません。

おまけに、那須川天心という天才が同じ日本の中で登場してしまったため、新生K-1の世界観はますます矮小になってしまいました。

ちょっと世界に目を向ければ、もっと大きなプロモーションが生まれています。K-1WGP亡き後、その覇権を狙った団体が巨大な資本の元に世界中で興行を打っている。そこで勝ち上がっていけば、選手に支払われるギャラも大きい。

だから新生K-1は外国人有力ファイターにとってみてはただのステップ。かつてはK-1、日本こそが最終的な到達点だったはずなのに、今は違う。

新生K-1の70kgトーナメントで優勝したマラット・グレゴリアンは、一回優勝したら一度も防衛戦することなくベルトを返上しちゃうし、チンギス・アラゾフもなかなか来日しない。最近だとウェイ・ルイも怪しいですね。まあ彼はもうチャンピオンじゃないですが。

 選手として引退したならともかくそうじゃなくて海外で戦ってるんですね。

ゲーオとゴンナパーくらいでしょうか、日本にレギュラー参戦してるの。でも彼らは世界的にみて有力かって言われるとちょっと微妙な気もします。

つまり、外国人ファイターにとってはもはやK-1はブランドじゃないんですよ。価値がない。だからやってこないわけです。

旧K-1の持つカオス感とかワクワク感が新生K-1に全然ないのは多分、世界観が小さいからだと思うんです。

地上波放送をしていない

これはまあ、時代性もあるかもしれないので是か非か色々な見方があると思いますが、新生K-1は地上波ではほとんど放送されませんね。ちょっと前はフジテレビで一週間遅れくらいで深夜放送してましたが今はそれもない。

代わりにAbemaTVで全ての大会を生放送している。これ、生放送を無料でしてくれるってのは相当嬉しいんです。かつてのK-1も生放送じゃなくて、あくまで録画中継でしたからね。

でも、ネットの場合はたまたま発見するってことがあんまないですよね。ファンしか見てくれない。まあそこは昔と違ってSNSがあるから、twitterなんかでどんどん拡散させるような仕組みを取ってはいるものの、地上波ゴールデンタイムでやっていた旧K-1ほどの市民権は今の所得られていません。それでも武尊とかはバラエティにもちょいちょい出ていて頑張ってるなあという気はしますが。

総じて、新生K-1にはスケール感と一流感がない

上記の地上波とも絡むかもしれませんが、多分資金力が全然違ったんだろうなという気がするんです。地上波放送の放映権料だけではなく、地上波放送することによるナショナルクライアントのスポンサーフィーとか。

ワールドトーナメントの優勝賞金、4000万円ですよ。今からすると考えられない!!新生K-1のトーナメント優勝賞金、明らかになってないですが、数百万レベルなんじゃないでしょうか。KNOCKOUTは300万円らしいですが・・・。

何が言いたいかというと、旧K-1に比べて圧倒的に地味なんですよ、新生K-1って。演出とかもね。

これは日本人特有の欧米コンプレックスかもしれませんが、やっぱ外国人がたくさんいると世界一流感ありますもん。本当にワールドグランプリ、という名前がふさわしいというか。

だってさ、K-1の無差別級トーナメントなんて16人制で日本人、多くてせいぜい二人ですからね。それで全然成り立っていた。でも新生K-1って世界最強トーナメントとか言いながら日本人が半分占めてますからね。どんだけ狭いんだよ世界って、って話じゃないですか。

さあ今夜、世界最強が決まるぞ!という高揚感がまるでない。

K-1の中継が始まると、テーマ曲が流れるんですよ。princeの「Endorphine Machine」が。

ほら見てくださいよ、このオープニング。いま見てもテンション上がる。なんか、世界メジャーって感じするでしょ??

旧K-1、個人的ベストファイト

というわけで、僕の青春時代を熱くたぎらせた旧K-1のベストファイトをご紹介です!

5位:アリスターオーフレイム VS バタハリ(K-1 WORLD GP 2009 FINAL)

今やUFCファイターとなったアリスターですが、もともと名前をあげたのは日本でした。

当時、DREAMでMMAファイターとして戦っていたアリスターはDREAMの会場でバタハリに喧嘩売られます(確か男同士で抱き合ってんじゃねえよ。K-1こそNo1だ、みたいな)。

で、その年の大晦日にK-1ルールでバタハリに挑んだアリスターは大方の予想を覆してバタハリをKO。

で、その後再び両者が巡り合ったのがこのK-1WGPでした。

当時、K-1ファンから絶大な人気を誇っていたバタハリからしたらリベンジ。でもアリスター、強いし正直厳しいんでは・・・とK-1ファンはハラハラ冷や冷やしながら見ることになりますが、結果は見事、バタハリが1R、KO勝ち。K-1ファンの溜飲を下げた形になります。

当時、PRIDEからUFCと世界中でMMAブームが勃興していて、「K-1は古い」くらいの温度感がありました。だからK-1ファンとMMAファンは相容れなかったわけです。そういう意味で、K-1ファンの溜飲を下げたのがこのファイトだった、ということですね。

ちなみに僕はDREAMファンでもあったので、この試合は複雑な思いで見てました。どっちかというとアリスター寄りで見てた気がします・・・。

4位:ボブサップ VS アーネストホースト 2(K-1 WORLD GP 2002 FINAL ROUND )

当時、MMAとK-1を行ったり来たりしながら大暴れしていたのがボブサップ。

本当に当時は文字どうり怪物でした。今は見る影もありませんが・・・。

でも、パワー重視のそのファイトスタイルは賛否両論があり、力だけのサップなんてMrパーフェクトと呼ばれたホーストのテクニックの前では歯が立たないだろうと思われていたのです。

そして二人が初めて相見えたのが。まさかのサップのKO勝ちでした。K-1ファンは沈みゆくホーストを見ながら「嘘だろ・・・」と呆気に取られたものです。

そして再び相見えたのが映えあるWORLD GP。

サップのパワーに押されながらも前回と異なり、ホーストは耐えるところは耐えながらもローとボディでサップにダメージを確実に与えていき、ついにホーストは美しいコンビネーションのリバーブローでダウンを奪うことに成功します。会場は大歓声!さすがホーストおおおお!!!と誰もが思ったその矢先!2Rでサップの一発がホーストを捉え、もんどり打つようにホーストはダウン。その後もホーストのラッシュでサップがダウン寸前まで追い込まれるシーンもあったものの、最後はサップのラッシュでホーストがピンポン玉のように右に左に弾かれ、最後はレフェリーストップ。遂にホーストのリベンジはなりませんでした。

いやあ、今見ても熱い!!!!

3位:マイクベルナルド VS フランシスコフィリオ K-1 GRAND PRIX ’98 決勝戦

僕、フランシスコフィリオの大ファンでした。当時、フィリオは「一撃」幻想というのを持っていて、まさに文字通り一撃であらゆる強豪をバッタバッタとなぎ倒していたのです。

そしてホーストとかにキックボクシングのテクニックで完封されたりしたことはあったものの、それはゲームで負けた感が強くて、フィリオ危うし!みたいな場面は見たことがありませんでした。

まさに、極真空手こそ立ち技世界最強なり!という幻想を持っていたのです。往年の世界最強といえばエメリヤーエンコヒョードルですが、フィリオもヒョードルと同じく静かな笑みを浮かべ決して騒ぎ立てず、格闘家というよりは武道家、という空気を纏ってそれがまた神秘的だったものです。

そんなわけで底が見えなかったフィリオが遂に沈んだのがこの試合。シーズンクライマックスの決勝トーナメントでぶつかったのがマイクベルナルド。

ベルナルドも決して打たれ強いタイプではなかったので、フィリオの一撃がいつ火を吹くか、フィリオの一撃幻想はいつまで続くのか!?というのがこの試合の見どころだったと思います。

しかし、結果はフィリオ生涯初のKO負け。神がかった強さを見せていたフィリオが遂に沈んだのでした。

当時フィリオの熱狂的ファンだった僕は、テレビの向こうでフィリオが次第に体力を奪われていき、朦朧とした目つきでよろよろになりながらベルナルドに向かっていき、そしてリングの上に倒れて行くのを呆然としながら見ていました。

当時、僕は浪人生でなかなか辛い日々を送っていたのですが、フィリオのテーマ曲を調べて買って、一撃Tシャツも買って、フィリオの自伝なんかも買って読んで、本当に崇拝していたのです。

だからフィリオがなぎ倒されていったのは悔しかったし、なんというか絶望的でした。本当に、心の拠り所がポッキリと折られたような気分でした。

2位:ジェロムレバンナ VS ピーターアーツ

前年のグランプリで全試合KOで制した暴君、ピーターアーツ。この年のK-1は誰がアーツを止めるのか?でした。そして、誰も止められないままグランプリファイナルを迎えました。

そこでアーツに挑んだのがジェロムレバンナ。いっときK-1を離れ、ボクシングに挑戦していたバンナですが、体もビルドアップされ、ボクシングテクを身につけてK-1に帰ってきたのです。まさに、ハイパーバトルサイボーグ!

当時、アーツと同じくこのシーズンのK-1で注目を集めていたのが、不沈艦と呼ばれたマットスケルトンという選手。めちゃくちゃ頑丈で、ヤン・ザジャイアント・ノルキヤとかレイ・セフォーをぶっ倒し、サムグレコをパンチで場外に吹き飛ばし、アーツも苦しめたマットスケルトン。

そんなスケルトンを1RでKOしたのが、帰ってきたジェロム・レ・バンナなのでした。あの不沈艦を沈めたバンナなら、暴君アーツを止められるんじゃないか!?そんな期待が高まる中迎えた1R序盤。アーツのハイキックがバンナにヒットし、バンナはダウン。

ああ、やっぱアーツや・・・。幻想は所詮現実なんや・・・今年もアーツが持っていくんやで・・・、と諦めムードが漂っていた中、がむしゃらにパンチをふるって突進していったバンナの若干デタラメなパンチがアーツを捉えました。

アーツ、まさに巨木がゆっくりと倒れるようにリングに沈みます。なんとか立ち上がろうとするアーツですが、首から下が動かない。なんと、バンナの1R逆転KO勝ちとなったわけです。

僕、この試合からずっとバンナのファンなんですよね。色気ありますよね、彼。

1位:フランシスコフィリオVSアンディフグ

そして第一位。

すいません、僕、やっぱフィリオ信者だったんでまたフィリオ登場です。

極真空手世界王者となったフィリオの電撃K-1参戦、デビュー戦がこの試合でした。そしてまたねえ・・・これがここに至るまでのドラマがやばいんですよ・・・。

前年、悲願のK-1王者になったのがアンディフグでした。でもそもそも、元々はフグは極真空手の大物選手だったんですよね。世界大会で決勝を争ったこともあるくらい、極真空手のスター選手だったんです。

そしてそんな大物のフグと、まだ無名のグリーンボーイだったフィリオは極真空手の試合で相対することになりました。誰もがフグの圧勝を予想していた試合でフィリオは善戦。そして試合終了の合図と同時にフィリオが放った左上段蹴りがフグの顎にヒット。そのままフグはまさかの失神をしてしまいました。

ただこの試合は物議を醸しました。試合終了後の攻撃だから反則なんじゃないか、というのがフグの主張。ただそれを退けたのがマス大山、極真のトップですね。「大山裁定」と有名なこのジャッジは「試合終了の合図でも武道家は気を抜いてはならない」というもの。極真空手はルールに守られたスポーツじゃねえんだ、ということです。痺れますねー!

しかしこの裁定に不満を覚えたフグは極真を離脱。そして正道会館に移籍するわけですがこれにまた極真は激怒。正道会館と絶縁するわけです。

そんな大きな犠牲を払って正道会館、つまりK-1に戦いの場を移したフグでしたが、予想に反して最初全く活躍できませんした。空手は顔面パンチがなく、K-1は顔面パンチがある。その差に全くついていけない。鳴り物入りでデビューしたフグでしたが、まさかのグランプリ、2年連続で初戦KO負け。ただそれでも諦めないのが不屈の鉄人、アンディフグですよ。3年目で初めて初戦を突破し、そのままの勢いでなんとグランプリを制してしまいました。

このフグのストーリーだけでも出来過ぎなんですが、この続きとしてフランシスコフィリオが出てくるわけですね。フグがK-1王者に輝いたその年、フィリオも極真空手で世界王者になりました。極真史上初となる、外国人王者の誕生でした。

そして時を同じくして極真会館と正道会館は和解。選手の交流が始まるのですが、そこで組まれたのが極真世界王者のフランシスコフィリオ VSK-1王者のアンディフグだったわけです。

もうさ、やばいですよねこのストーリー。ただ単に極真王者とK-1王者が戦うってだけでもロマンあるのに、この二人にはいわくがあったんですよ。だってフグが極真を離れる原因を作ったのはフィリオですからね。あの極真での試合がなかったら、フグはK-1には行かなかったかもしれないわけです。

そして二人とも世界王者になって再び相対する・・・。K-1、やばいわ。

で、そんなお腹いっぱいストーリーはどういう視点でみんな見てたかというと、そりゃフグのリベンジストーリーですよ。これまでフグはK-1において「リベンジ」というポジションでしたから。「K-1リベンジ」という大会まで作っちゃうくらい、フグにとって「リベンジ」は重要なコンセプトだったわけです。

かつてフグも顔面パンチに適応できず何度もリングに沈みました。今度はそれを、フィリオに教えてやろうじゃないか・・・とフグが飛び込んだその瞬間、フィリオの右フックがフグの顔面を捉え、フグは糸が切れた人形のようにストーンとリングに沈みました。

まさに、一瞬。そして、一撃。

で、フグに駆け寄ってきたセコンドの背中が中継カメラに映り込むんですが、セコンドのTシャツに書かれていたのが「一撃」の文字。

うわー、やばい!極真、やばい!一撃だよ、一撃!カッコ良すぎるよ・・・!

結局その後、二人が交わることはありませんでした。フグが白血病で亡くなってしまうからです。

フグは遂に、フランシスコフィリオ にだけはリベンジできなかったのです。

こんなドラマが、かつてのK-1にはありました

ということで、他にもいろんな語れるドラマがあったんですが、今のK-1ってそれ、ありますかね?と。まああるのかもしれないけど、あんまなくないですかね。卜部兄弟の試合なんかは泣けましたけどね。

 なんでなんだろうなーと思うんです。PRIDEにも色々ドラマはあったけど、RIZINってそういえばそこまでのドラマってまだあんまりない。RENAと浅倉カンナとか那須川天心と堀口恭司なんかは語れますけどねえ。

やっぱ日本の格闘技はこういうドラマこそ魅力だと思うんですよ。”最強”とかスケールのでかさはどうやってもUFCには勝てないし、ひょっとしたらONEにも勝てないかもしれない。

だから僕らは、試合と試合の行間のドラマを楽しみたい!

久々に昔のK-1の試合をYOUTUBEで観まくろっかなと思いました!

現場からは以上です!

【大晦日格闘技】GyaoでRIZIN14見た感想を視聴率について思うこと

メイウェザーVS天心が予想以上にショックだったようです、僕。

あれからずーっとTwitterなり色んなサイトなりをサーフィンしまくってて、世の中であの試合がどんな風に捉えられているのかをじっくりと見てきました。

その辺りはまたその気になれば書くとして、今回はそれ以外のRIZIN14の試合をいくつか。やれんのかは大晦日当日にこちらに書いておりまする。

RENAの減量失敗と失格について思うこと

RENAの減量失敗により中止となったこの試合。以前、RENAは対戦相手の調整失敗の時に試合を受けた上で「プロとして失格」的な発言をしていたので、まさか自分がこうなるとは、という思いでしょう。きっと滅茶苦茶ショックでしょうし失望しているでしょうし絶望しているでしょう。KO負けしたほうがましだったかもしれない。

今回ファインプレーをしたのはRENAの妹分であるMIOだったんだろうなと思います。多分、RIZINはそれでも出させるつもりだったんでしょうし、RENAも出るつもりだったんじゃないかと。そこへtwitterでの「現場情報」を投稿し、その流れで「出て欲しくない」とはっきり明言していました。

このTwitter投稿によってファンの間での議論が巻き上がったのは間違いありません。この投稿がある前までは「どうせ試合すんだろ」的な前提でRIZIN批判が起こっていた雰囲気でしたが、MIOのTwitterをきっかけに「これはまじでシャレにならんのでは」という感じで一気に拡散していきました。

そんな世論が影響したのかどうかはわかりませんが、結果的には欠場がアナウンス。誰もがホッとしたのではないでしょうか。僕もそうでした。

ただ正直、ちょっと複雑なのはRENAがいなくてもそこまで痛くない、という現実でしょうか。まあ今回はメイウェザーという50年に一度くらいの核弾頭があるから、というのもありますが、RIZINのメインストーリーの登場人物の一人、くらいな感じだと思います、今のRENAは。彼女がいないとイベントとして成り立たないくらいの存在ではない。

ただ、自分が既に主役ではない、という現実を受け入れた上で復帰を選び、さらに大晦日興行の第一試合を直訴。彼女がMMAデビューをしたRIZINでも第一試合だったこともあり、あらゆる意味で今回の試合は彼女にとって再スタートという意味合いが強かったわけです。

そんな大切な試合で調整ミス。まあ、なかなか簡単に語れないくらいの重さがあると思います。ただRENAは次回の4月大会で復帰するしかない。彼女が何を言い訳しても全く意味はないので、ここはプロとしてしっかりけじめをつけてほしいなと思います。

大尊伸光 vs. トフィック・ムサエフ

今回初登場となったムサエフ。来年から始まるライト級グランプリの査定試合として組まれたこの試合でしたが、もう確定でいいでしょう、ムサエフ。

獣のような筋肉の鎧と冷酷&殺気に満ちたオーラ、そして獰猛なファイトスタイル。ライト級グランプリが欧米系選手ばかりになってもつまんないので、東欧代表としてかき乱してほしいと思います。

大尊はキャラは良いのでまた出てほしいですね。正直今回の試合は相手が悪かったし、彼の持ち味も全く出ていなかったと思うのでもう一回チャンスあげてもいいんじゃないかと。

真珠・野沢オークレア vs. ヤスティナ・ハバ

真珠、負けました・・・!この人、関節は柔らかいのか以前の試合も今回の試合も関節極められそうになってもなんとか逃れてこれました。

でも絞め技は無理でしたね。最後は落ちて失神負け。本当に怪我なのかどうかはわかりませんが、試合のペースがちょっと空きすぎですよね。本当に格闘技で上を目指していくつもりがあるなら、もうちょっと試合したほうがいいと思います。

でも、あんだけボコボコにされて顔面崩壊し、首を締められてもタップを粘った根性はすごいと思いました。頑張ってほしいですね。

にしてもこの人、美人で足長いですね。美脚フェチの僕としてはもっと観たいです!! 

佐々木憂流迦 vs. マネル・ケイプ

 この試合、結局興行が全部終わってしまうとあまり語られることがないですね(笑)。

ウルカはMMAファンからすると待ってました感あって、マネルケイプ相手にUFC帰りの本物っぷりを遺憾無く発揮して欲しかったのですが、内容は圧倒していたものの判定勝利。ここは一本とって欲しかった。

と、思いつつ堀口も浜崎もRIZIN初戦は判定勝利で、その後一本やKO連発してるからこれからだと思いたいです。

対するマネルはちょっと今後が見えづらくなりましたね。RIZINの門番的な位置付けでしばらく頑張ってもらう感じでしょうか。堀口を中心にRIZINはバンタムが最も熱くなりそうなので、その中で気を吐いてもらいたいです。

元谷友貴 vs. ジャスティン・スコッギンス

ウルカに対して綺麗に決めてくれたのは元谷。スコッギンスだって決して弱い選手じゃなかったはずなのに一本取るのはさすがです。

あれ、極まるんだ・・・とちょっと驚きでした。頚動脈を決めるのはまあわかるとして、あれ外れないもんなんですね・・・。

とりあえず堀口挑戦権を賭けてウルカと戦ってくれたら熱いですな!

矢地祐介 vs. ジョニー・ケース

矢地にとっては厳しい2連敗となったこの一戦。カットによるドクターストップとはいえ負けは負け。

昨年、五味を倒して日本人ライト級エースを引き継いだはずだったのに、矢地にとっての2018年はなかなか難しい年になってしまいました。

アメリカ武者修行を今年は行うそうなので、しっかりと進化した矢地に期待するしかないです。

宮田和幸 vs. 山本アーセン

この試合は語るべき点がたくさんありますね・・・。

HREOS自体から見ていたファンからすると宮田は色々思い入れありますよね。

正直、当時からけっしてファンの熱狂を買っていた選手ではありませんでした。特にDREAM以降は、谷川率いるHEROS出身ということもあって、PRIDEファン中心のDREAMにおいては宮田は決して歓迎されていた選手じゃなかったと思うんですね。

大金星みたいなものがあったわけでもないしファンの心を鷲掴みにするような熱戦があったわけでもない。唯一有名な試合がHEROSのKIDに秒殺された試合ですからね。

それでも地道に強くなるための鍛錬を積んでコツコツと実績を上げていったという選手でした。

おお、と思ったのはゴングと同時に突っ込んでいって飛び膝をしようとしたところですよね。僕あれ、アーセンがエンタメとしてやるかなと思ってたのですが、まさか宮田がやるのかと。宮田としてはあれはエンタメじゃなくて、過去の自分を越えるためにやったんだと思いますが、アーセンも同じことを考えていて空中でお互い抱き合うみたいなちょっと間抜けな絵にはなっちゃいましたね(笑)。

最後はあんまり見たことないアームロックで一本。有終の美を飾っていただきました。みんなに祝福されて、幸せな引退試合だったんじゃないでしょうか。

長野美香 vs. 山本美憂

 あんま語ることはないですが、美憂はこれで連勝。以前はまるで勝てる気配がしなかったのに比べると、彼女は確実に強くなってますね。

長野はちょっとかわいそうなくらい何もできなかったですね・・・。進化の激しく、新陳代謝も激しい女子MMAの流れや勢いに完全についていけてない感じがしました。

ダロン・クルックシャンク vs. ダミアン・ブラウン

これは勿体ない・・・。クルックシャンク、RIZINで連勝していて着実にファンがついていたのにこの敗戦・・・。ライト級グランプリ査定試合だったはずですが、どーなんでしょう。試合前の海外のインタビューか何かで「もうちょっと金が稼げる団体に本当は行きたい」的な発言をしていましたが、この敗戦はちょっと今後の交渉としても難しい結果になってしまったと思います。

ギャビ・ガルシア vs. バーバラ・ネポムセーノ

相変わらずすごい体してますね、ギャビさんは。相手のバーバラ、MMAデビュー戦がギャビというのはきつすぎますね。

試合後の神取劇場はもういいですね。このやり取りは今のRIZINには完全に不要でしょう。やる必要ないです。

イリー・プロハースカ vs. ブランドン・ホールジー

意外と苦戦したプロハースカ。ホールジーのレスリングの強さにうまく対応できていなかったような気がします。ただ、ホールジーのリングアウトはあれはどうなんでしょう。勢い余って落ちたのか、なんかわざと落ちたようにも見えましたが・・・。

プロハースカは何でもUFCからのオファーを断ったそうですが、今後RIZINはベラトールとの交流戦に積極的に使ってあげて欲しいですね。

浅倉カンナ vs. 浜崎朱加

これは浜崎が見事でした。カンナもいつの間にか人気選手になって、 風格も出てきたなあと思いました。ちゃんとタイトルマッチっぽい雰囲気だったというか。

ただ、始まってみたら相手になってませんでしたね。カンナは事前のインタビューなどでアメリカ修行でボコボコにされたけどタックルは通用するんだと自信になった、的な発言をしていましたが、なかなかタックルが出ず。出さなかったのか出なかったのかわかりませんが、結果的に自分の強みをちゃんと出す前に負けてしまいました。

最後の腕ひしぎは何度も何度も抜けようと試みていたカンナ。そして試合後の泣きじゃくる様子を見ていると本気で勝ちたかったんだなあと見ていてグッときました。

こういう想いが伝わる選手はこれからももっと人気が出ると思います。僕も今回の試合で初めてカンナのファンになった気がします。

堀口恭司 vs. ダリオン・コールドウェル

この試合のラストは興奮しました!試合前から正直、今回は負けるんじゃないかなあと思ってました。堀口、事前の映像などでも今回はいつもみたいな自信満々コメントがあんまなかったんですよね。まあこればかりはただ単に映像制作サイドの意図かもしれませんし全くわかんないですけども、ちょっといつもよりも重い雰囲気だなあと思っていました。

ただ最後は勝ったとはいえ、試合全体を通してみるとほぼコールドウェルペースでもありました。次はベラトールで再戦するそうですが、次回は相手のホームでもあり、ケージファイトでもあるのでちょっと改めて対策して欲しいなと思います。

もしこれで、ベラトールでも堀口が勝って2冠になったら、RIZINファンとしては鼻が高いですよね。

全体的な所感

さてメインのメイウェザーVS天心の試合は前回書いたのでここでは触れません。

ただこのメインだけ別次元の戦いで、全体通して見た時のRIZINとしてはまともな格闘技路線に走ってきた2018年RIZINの総決算っぽいカードばかりで良かったんじゃないでしょうか。

朝9時からのやれんのかから自宅で見ていましたが、意外とテンポいいなあと思ってました。全然苦にならないというか。もっと中だるみするかなあと思ってたんですが。

途中の長めの休憩は、まあ予想できましたよね。メイウェザーの試合が23時頃というアナウンスはされていたのでフィニッシュ多めの早め進行で行った時にどっかで長めの休憩に入るだろうなとは思ってました。そしてそれが入るのは生中継となるラスト3試合前だろうなとも。

まあ僕は自宅でダラダラしながら見てたので特にストレスは感じなかったんですが、会場組はなかなか不満が強そうですね。1時間半くらいの休憩だったら格闘技EXPOとかでフラフラしてればあっという間のような気もしますけどねえ。そういった催しが何もないと辛い時間だと思いますが、休憩時間のアトラクションもイベントとして楽しめばいいのになあと思っちゃいます。

まあ、僕は昼寝したり他のことやったり観戦だったのですがね!

自宅観戦も快適ですが、やっぱ今回は会場で見るべきだったなあと本当に思いました。大晦日は家庭行事もあるので正直なかなかさいたままで家を空けるのは厳しいのが本音なんですが、今回は神興行でしたからねえ・・・。

視聴率のこと

 今回のRIZINの視聴率、全体的には昨年の横ばいで、生放送が始まった後半からはむしろ上がっていって民放第二位という結果でした。でも横ばいといっても、ちゃんと中身のあるカード群での結果なので、RIZINというコンテンツは確実に根付いていっているんじゃないかなあとは思います。ボブサップとか曙とかそういう飛び道具を使わずに数字を稼いでいるわけですからね。まあ、メイウェザー効果もあったのだとは思いますが。

ただ世間に届いているのは天心、堀口、RENAでそこから一歩下がってカンナ、真珠くらいでしょうか。それ以外の選手がどんどん外に出ていかないとダメですね。

2019年もRIZIN、応援します!

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【RIZIN14 メイウェザーVS那須川天心感想】これは国辱か。この敗戦をどう受け止めればいいのか

日本の格闘ファン全員が、屈辱を受けた大晦日

いや、言葉が出ない。あまりに衝撃でした。

正直、天心が倒せるとは一ミリも思ってなかったけど、もう少しはまともな勝負になるんじゃないかと思っていたし、天心ならもしかしたらひょっとしてメイウェザーに強烈な一撃を食らわせたらするんじゃないか…。

そう思っていた方は多いと思います。チケットは売り切れ、こんなに盛り上がったのは天心だったから。天心なら何かをやってくれるんじゃないか、という期待値。

出る出ないで揉めたり直前まで会場入りしなかったりなどの一連のメイウェザーの舐めきった姿勢が、また僕らの天心への期待値を膨らませました。

しかし、でした。

まさかの1ラウンドTKO。あんだけエキシビションエキシビションと言っていたメイウェザー。ひょっとしたら保険かけてんじゃねぇか的な見方も出来たわけですが、天心がまるで相手にならなかった。

なんか事前にわぁわぁ騒いでいた我々日本の格闘ファン全員がまるで見当違いの事で騒いでいただけみたい。

現実は、世界は、本物はあまりにも残酷でした。

狭い視野の中で騒いでいた我々日本人全員が屈辱を感じるべきなんじゃないかと。メイウェザーの、アメリカの、グローバルな視点で見たら、我々日本の格闘ファンはあまりにちっぽけだったのです。これは、国辱とも言えるんじゃないかと

人生初となる、那須川天心のダウン

多分、天心も何が起きてたのかよくわからなかったんじゃないかと思います。特に最初のダウンは天心自身も驚いていたように見えました。足元がおぼつがす、必死に踏ん張ろうとしても足が言うことを効かない。天心といえど、ロッタンを始め一流どころとパンチを交換し合ってきたわけです。

それなのに、たかだか1ラウンドで自分が手も足も出ず、ほんとに遊ばれて転ばされる。

なんとか立ち上がろうともがく天心に、涙が出て出そうになりました。

散々なめやがって。本番見てろよ、と言うのが天心のモチベーションだったと思いますが、試合でも遊ばれた。天心のプライドはズタズタに切り裂かれたのではないかと思います。

身体のダメージより、心のダメージが心配です。

那須川天心の敗因

何故天津は相手にならなかったのか?

体重差、たしかにそれはあるでしょう。ただ、やはり致命的なまでにメイウェザーとのボクシングにおけるスキルがまるで違ったんだろうなと言うことだと思います。

僕は空手とボクシングの経験しかないんですけど、パンチの打ち方とか力の入れ方とかやっぱり違うわけで、見た目は同じジャブでも全く違う。んで、パンチだけで競うボクシングのトップオブトップは拳での人の倒し方を心得ているわけです。これまで歴戦の猛者と殴り合ってきたのに一度も倒れたことのなかった天心でしたが、ボクシングルールの中ではルーキー。もう、それでしかないと思います。

キックを打てる打てないだけの単純な話じゃなくて、キックが打てることによる出来る間合いやリズムや身体の使い方があるわけです。天心は、ボクサーのパンチをマトモに貰うスキルを持ってなかったんじゃないかなと。

もし、体重差が同じくらいあるキックボクサーのチャンピオンとボクシングルールで戦っていてもこうはならなかったと思うんですよ。やはり、そういう意味でも今回は全てはメイウェザーの土俵で戦ってしまったんだと思います。

ただ正直、試合後のテレビ解説陣のコメントはひどいと思いました。「本来はさせるべき体重じゃない」とかね。アホかと。その発言は、天心の今回の挑戦そのものを軽んじていますよね。地上波の一般人向けの天心擁護コメントかとは思いますが、それにしてもひどいです。

 今後の那須川天心は?ボクシングはやるのか?武尊とは戦う?

気になるのが天心の今後ですね。

とりあえずRISEのワールドグランプリがあるのでそこを軸に戦うんでしょうが、今回の敗戦のあまりの衝撃に、ボクシングに挑戦するしかもうこの屈辱を晴らす道はないんじゃないかとも思います。

個人的には、武尊となんて戦ってるべきじゃないと思っちゃいます。日本の格闘技界の狭さというより、世界の広さを今回、天心は学んだはず。世界の中では自分はいかに相手にされていなくて、リングの上では見とけよと挑んだもののリングの上ではもっと相手にならなかった。

残念ながら日本の格闘技は、世界マーケットで見たらやはりしょぼい。「そこを変えてやる」と意気込むのも素敵ですが、多分そうそう簡単には変わらない。天心が本当にボクシングでもやれるのかどうかはわかりませんが、天心がボクシングで世界王者になって、そっからキックやMMAに逆輸入されてきたほうが早いような気がします。

もうね、僕らは那須川天心という存在、コンテンツそのものを応援するわけです。だから天心がどこでどんな戦いをしても追いかける。キックとかMMAじゃなくて、ボクシングで世界トップになってほしい。んでその上で格闘界に帰ってきてほしいなと。

僕は、そう思うわけです。

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【大晦日RIZIN】平成最後のやれんのか、感想

朝9時からという異例の興行となった「平成最後のやれんのか」。

僕は自宅でGYAO観戦でしたが、ちゃんと朝から起きて全て見たので、RIZIN14の休憩時間を使ってまずはこのやれんのかの感想を!

仮面女子川村vsあい

やー、何もできずに終わっちゃいましたねぇ。プロ経験は川村の方があるわけで、もーちょっと色々展開あるんじゃないかと思ってましたが…。

まぁ、顔勝負のアイドルであんなに顔面をパウンドされたらそりゃ恐怖ですよね。格闘代理戦争見ていて、あいはレスリングは出来てもそこからの攻めがない印象でした。ただ、川村相手だったからあそこまでパウンド出来たものの、普通のMMAファイターにはなかなかあそこまで綺麗に決まらないでしょう。そもそも今後、プロとしてやっていくつもり、あるのかな?

白鳥大樹VSウザ強ヨシヤ

ウザ強が意外見せ場作った試合でしたね。何かウザ強って、そこまで強いとも思えないしリングネームの出落ち感あるかなと思ってましたが、何故か印象に残りますよね。日大でフジテレビに内定してるってけっこう凄くないですかね…。白鳥は、勝ったものの終わった後の印象論ではウザ強な気がします。

朝倉兄弟の2試合

両方とも勝ってまずはよかったですね。特にリオン武を倒した未来。この人は最近なかなか見ない殺気というか、ヤバイ色気を持ってますよね。リオンもオールドファンからすると思い入れあるファイターですが、そういうファイターが新星に倒されていくのはなんとも複雑な気持ちがするものです。

海は倒すことはできなかったものの、良い試合でした。しかし最後の応酬はともかく、それまでのスタンドの攻防は海の方が負けていたような気がします。あの辺りはちゃんと修正していかないとここから先は厳しくなっていくんじゃないでしょうか。

渡辺カナVS杉山しずか

入場シーンから、明らかに入り込んでた杉山。ちょっと気負いすぎじゃないかなぁと思っていたのですが、あっという間でした。

スローで見ると意識が飛んでたのは明らかですが、それにしても止めるの早いかなとは思いました。もう一発、パウンドがまともに入ったら止めるくらいでもよかったのではないでしょうか。一応MMAですからね。倒してからも攻防あるわけで、選手の安全は勿論ですが、立ち技じゃないので倒してからの攻防見たかったです。

レフェリング、難しいとは思いますが・・・。

北岡悟VS川尻達也

古参格闘ファンにはなかなか意味深いこの試合。PRIDEのテーマ曲でのあおり映像、川尻の入場曲もDREAMのテーマ曲。こういうコンセプチュアルな見せ方は好きだなぁ…。

試合は、まぁ予想通りといえば予想通り。川尻は動きも緩慢で正直限界までなんでは、と思ってしまいました。来年のライト級グランプリ、北岡は確定としても、相当厳しい戦いになるのでは…と思ってしまいます。

やれんのか、全体的な感想

というわけで、全体的にテンポよく進んでいったやれんのか大晦日。この興行の発表を聞いたときは「興行自体がやれんのか?」と思ったものですが、良い興行でした。

たまアリじゃなくていいから、こんなコンセプトで5000円でミニ大会みたいなのをちょいちょいやってくれると嬉しいですねえ。日本人選手中心でいいので。

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